Tuesday, March 19, 2013

Chad




Photo by Me (Anne Yano)


この子にはじめて声をかけてから、もう半年になる。
サンタモニカから出るバスの中で偶然この鮮やかな
ピンクと紫色の髪をした男の子と乗り合わせたあたしは、
「色やばいね!」なんて声をかけられずにはいられなかった。


それからしばらくして、また偶然この子と乗り合わせた。
「寒くなってきたね」
「この辺の子?」
「そっちは?どっからきたの?」
「え?日本?」
なんて世間話してたら、「俺ちょっと日本語しゃべれるよ」なんて言い出したこの子。
内心、「どうせ、『ありがとう』とか『コニチワ!』レベルなんだろう」と
鷹をくくってたあたしは
「じゃあ、しゃべってよ?」ってちょっぴり上から目線で尋ねてみた。


そしたら、この子「なんてしゃべってほしい?」と、日本語で返してきた。
あたしが目をまんまるくして、「えぇええ!!!」って叫んだのは言うまでもない。
実はこの子、日本のクオーターらしいのだ。
小さい頃はよく夏休みを利用して来日して、学校にもちょっぴり行ってたらしい。
どうりですらすら単語がでてくるもんだ。


しばらく世間話をつづけたあたしとその子。
話はどんどんおかしな方へ。
「へぇ〜、どのあたりにステイしてたの?
あ、東京?
東京のどのへん?
え、知ってる知ってる、渋谷の近く?
あ〜三軒茶屋の近く?
え???最寄り駒沢大学?
あたしも...え、どの辺?
上馬ぁああ!??」
なんと、彼がよくステイしてたおじさんのうちは
あたしの家から歩いてすぐのところ。
彼がよく行ってた近所のスーパーマーケットは、あたしが小さいころ
よくママといってたスーパーだということが判明。


こっちでもご近所さんで、
あっちでも実はご近所さん。
不思議な縁があるその子、チャドとは今では家と家の中間にある
スタバメイト。
世の中やっぱり狭いなぁ。

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